D&I実践!デンマーク留学 / こいしももか

トビタテ留学JAPAN15期生としてダイバーシティー&インクルージョンを学ぶ留学しています。

117:歌い方、楽しみ方イロイロ

デンマーク語の曲を7曲も練習しました!高校の時はコーラス部だったので、ハーモニーをつくる歌い方をしてましたが、エグモントでは、不揃いな音もタイミングも歌えなかったら体を揺らしても、聞いているだけでも一緒に楽しむことができてこれもまた幸せなひとときでした。
一方、先生がももだけ音程や発音を耳を近づけてチェックするので、指導の個別対応が行き届いてるなーと((^_^;)、なんだかコーラス部を思い出したりもしました。笑

115:秋セメ(今期)のテーブルグループ

42や71の記事でテーブルグループについてちょこっと書きましたが、その後も毎日朝晩は一緒にごはんを食べて毎週グループミーティングもするこのグループ。
私がいる「さゆりチーム(さゆり+学生ヘルパー3人)」のように日常の介助が必要な生徒をボスとしたチームがあと3つ、授業などにサポートが必要な知的障がいを持つ生徒が1人←7の記事のおばあちゃん、教員2人、ヘルピングティーチャー2人あとは先生の犬が1匹。(スーパーインクルーシブチームでしょ?)
このグループのおかげで、デンマーク人チームの介助への考え方や、介助だけではなくそれぞれ個人の生き方、考え方まで、多角的な視野を持って生活することができました。
リーネ(おばあちゃん)との会話でデンマーク語をいっぱい練習できたこともよかった♥

114:さゆりの涙

はながオープンマインドなら、さゆりはその逆。これまでの人生で辛かったこと、そして進行性の病気のこと、年下で健常者の私がさゆりの全てを分かってあげられるわけもなく、ただ傍にいて、必要なサポートをするくらいしかできなかったかも(これがまた上手にできないわけだけど)。
さゆりの気持ちを全部分かってあげられる人はきっと少ないと思う。分かってもらえなくて当然とさゆりも思ってるから、極限まで我慢してなんでも言わないでいるよね。
「私も苦手なこと、困った時はたくさん助けてもらってここまで来たから、さゆりも苦手なこと、できないことは助けてもらえばいいじゃん。さゆりが日本に帰って、私がまだデンマークにいても、一緒に考えたり、何か手配したりできることもあると思うよ。」って言ったときも泣いてた。他のみんなも同じ気持ちだと思うよ♥

さゆりも苦手だけど少しずつ伝えようとしてくれたし、私たちもそれをキャッチしようと傍にいたと思います。お互いを思う気持ちがすれ違ったり、ぶつかったり、まだまだ言いたいこと、言えないことがいっぱいあって泣いているんでしょう。(*^_^*)

 

113:はじめてがいっぱい

今回の留学では、はなはたくさんの初めてを経験しました。同じ歳のはなと私。試着室も夜更かしも、お酒も、一緒にたくさんのことができて楽しかったです。エグモントが終わると障がいを持った日本人は同年代の友達と遊んだり、新しいことにチャレンジできない環境になってしまって生活のギャップに悩む人も多いそうです。これからもはなの世界がどんどん広がりますように。

112:じゅりの役割

じゅりはヘッドマッサージも上手ですが、ヘルピングティーチャーとキッチンスタッフ兼務でエグモントに在籍していたので、ごはんを作るのも得意でよく日本食をつくってくれました。また、作業療法士なので、車イスの作業動線を考えてお部屋のレイアウトを調整したり、日々の活動を通して成長を促すようなサポートが得意です。作業療法士は作業を通して鬱などのメンタルのケアや患者さんが落ち込みやすい原因となる思考の癖などを修正できるよう助けたりもするそうです。このセメスターではじゅりが慣れない介助や寮生活で落ち込むみんなのメンタルケア(胃袋ケアも)をしてくれたような気がします。

作業療法士(OT):日常で必要となる「食事」「洗顔」「料理」「字を書く」などの応用的動作能力や、地域活動への参加、就学、就労といった社会的適応能力を維持・改善するリハビリを行う専門職。また、作業を通して心のリハビリテーションも担当する。

111:パーソナルアシスタント制度とは 補足1

111:パーソナルアシスタント制度とは 補足1

108の記事でほんの少しご紹介したパーソナルアシスタント制度は、障がい者が自分で介助者(ヘルパー)を選び雇用できる制度ですが、この制度を利用するためには2つの条件(3つ目と4つ目も大前提として大事)があります。
 1)雇用主(=事業主)として経済的な経営管理と人事管理ができるもの。
 2)教育・就労・ボランティア活動など、何らかの社会的な活動を行っていること。
<3)常に介助者が必要なほど重度な障がいがあること>
<4)18歳以上、67歳未満>
なかなか厳しい条件なのでデンマークでこの制度を利用している人は少ないそうです。(2008年は全国で1200人)
一方、ノルウェースウェーデンでは、このような条件がないために、知的に障害があってもパーソナルアシスタント制度を利用することができるそうです。(経済的管理や人事採用・解雇などの雇用主 / 事業主業務は家族や専門家に委託可能)
2009年にデンマークでもノルウェースウェーデンと同等の制度になるように改正が行われたということらしいので、2023年現在はもっと利用者が増えているはず。現状調査は日本語で追えそうな資料が見つけきれなかったので、また引き続き探してみます!
じゃー日本はこういう制度はあるのかな?続きはまた今度。

91の記事の元エグモント教師の片岡豊さん「デンマークにおける障害者の「自立」の考え方−政治と倫理」より https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/sakuin/kaigai/166.htm ← ここからダウンロードできます