D&I実践!デンマーク留学 / こいしももか

トビタテ留学JAPAN15期生としてダイバーシティー&インクルージョンを学ぶ留学しています。

124:エグモントで障がい者は何を学ぶのか

まず、デンマークにおいてもこれほど障がい者が何にでもチャレンジできる環境が整っている場所はないので、「色んなことにチャレンジできる環境」を求めて障がいを持った人がエグモントに来るのだと思います(障がい者の入学は待ちがある程とても人気)。ここには、障がいに偏見を持つような学生や先生はいないので、いい仲間と共に共同生活をしながら、視野を広げたり、経験を増やすことができます。
その経験を通して、「良い人生」を得るための能力を養うことが学びなのではないかと最近思ってきました。「良い人生」のために必要な能力は、
 1) 自分の責任の下に自分で選択できること(自立への必須条件)
 2) 自分が持っている能力でできる役割を見つけること(良い人生の必須条件)
はなは日本では機会すらなかった1)を。
さゆりは1)も2)も日本でできてたと思うけど、デンマーク式(エグモント式)を体験したと思います。エグモントも、広い意味でデンマーク社会も、共同生活なので、自分のことだけではなく、チームのみんなの特徴も掴んで、選択をしたり、自分の役割をみつけなければないけません。独りよがりではなく、オープンマインドなコミュニケーション(調整力)が求められるところが難しいです。
35の記事でも書いたように、介助をする方もされる方も平等ということについて、考えていたけど、はなやさゆりを見ていて、介助される方も私たちを気づかったり、私たちのことを知ろうとしていてくれるところが平等だ!と感じています。

ここまで書いてみて、障がい者だけではなく、私たちも同じことを学んでいるんだと分かりました。エグモントだけではなく、デンマークのフォルケホイスコーレが「人生の学校」と呼ばれる理由はこういうことなのかも知れません。

123:私の留学

大学では英語専攻の私が、デンマークでⅮ&Iを学ぶ留学をすることになったきっかけは、大学1年生の時に始めた小学校の支援学級でのボランティアでした。私は子供たちと一緒に学ぶのを楽しみに通っていたのですが、気づいたら一緒に始めたはずの他のボランティアの子はほとんどやめてしまっていました。「ああいうところは私たちが行く所じゃない」と言われたり、その後も介助をするような留学をすると言うと「どうしてそっち系なん?」とあまりいい顔をされず、応援してもらえないこともいまだにあります。私的に応援してもらえないことがあると色々葛藤もあり、特に「どう発信するか」は悩むこともありますがそれもD&I推進のリアル。(私が学ぶだけではなく、私の学びをみなさんに発信(共有)すると約束してトビタテに支援して頂いてるので、色んなご意見やご指摘も受け止めながら頑張りたいと思います!)
エグモントの生活は、ご覧のとおり、スーパーインクルージョンで、みんなが違うからこそ生まれるチームワークや、何か困難があってもみんなで話し合って乗り越える良い文化を学ぶことができています。日々を大切に生きること、自分の出来ることと出来ないことに向き合うこと、助けたり助けられたりしながらみんなと繋がること、誰しも何かしら生きづらさや、苦しさを感じる時代だからこそこういう学びはみんなに大切だと私たちは感じています。最初の5か月をこのメンバーで乗り越えられて本当によかったです!

私がどういう留学をしたいのか何を学んでどこを目指しているのかはHPをご覧ください
こいしももかD&I実践留学HP:https://momo-dandi-coordinator.jimdosite.com/

122:私のテーブルグループ

今期は、全体で16グループあるテーブルグループの中の私の所属していたグループの集合写真。国籍、障がい者(身体/知的)、健常者、世代差など多様なメンバー。(115の記事参照)
「さゆりチーム+3人」「セバスチャンチーム+3人」「エミールチーム+3人」「カミーラチーム+3人」、カミーラが亡くなったので、カミーラチームは他のチームのヘルプに入ったりもしていましたが、所属は最初のこのテーブルグループのまま生活しました。
カミーラのチームが結構大変だと予想されていたため、日常生活は自分で送れるけど授業でのサポートは必要な障害を持った生徒(知的障害の生徒が多い)は1人でした。(他のチームには2~3人います)
日本では障がい者同士も異なる障がいだと交流がなかったり、偏見があったりすると聞きますが、ここではみんなそれぞれ違い過ぎるので(笑)障がいの種別、有無に関係なく互いを尊重することができています。

121:さゆりチーム

しっかり者で、志も高く、社会福祉士の資格も持っている(留学前はフルタイムで働いてた)さゆりと、私が出会ったのはさゆりがエグモントで春セメスターを終えて、残り5か月の秋セメスターが始まる時でした。さゆりの場合は自己決定もできるし、知識も豊富で、自分でなんでも段取りできちゃうようで、実際は介助がないとうまくいかないこともあるし(そして介助が素人ばかり)ストレスもあったと思います。お姉さんたちがさゆりの気持ちをたくさん受け止めてあげたんじゃないかなー(さゆり、じゅり、かなは同室で生活)、だから私は甘えてばかりだったと思います。次会う時は、お姉さま方にもっと成長した私をお見せしたいと思います!

 

120:はなチーム

はなが一人部屋になってからは、はなの部屋にマットレスを持ち込んでナイトシフトをこなしたり、知的にも障がいがあるはながどれくらい自分で判断できるのか見守ったり、試行錯誤の日々でした。こちらに来た時よりいっぱい食べて体重が増加したはなの介助は私より全然小さいお姉さんたちにはなかなかハードで身体がしんどいときもあったと思います。(私の身長と体重だとはなを介助するときにハンドリフトが使えますが、お姉さんたちだと押さえが効かずに使えません)なので、私もはなシフトに入れてもらう事もあり、今回は2倍学ぶことができました。
はながお姉さんたちの負担が軽くなるようにと異性介助も途中からOKにしたいと言ったり、でもまだ心は準備ができてなかったり、はなも自分の気持ちや考えをうまくまとめられないので、こういうぐちゃぐちゃな気持ちを私たちも慎重に読み取って介助の仕方を考えなければいけません。
嬉しいことに、どんどんはなは成長するので、新しい気持ちや新しいやりたいことがいっぱいで、介助される方も、する方もはっきりと正しい答えが見えているわけではない時が実はとても多かったです。とにかく見守ってはなの気持ちをしっかり汲むこと(はなが話す言葉だけに注目しない)。先回りしすぎないこと(守ろうとして失敗させないようにしないこと)。身体のストレスサイン(痛みや下痢など)とも相談しながらみんなでたくさん色んな経験をしました♪

119:さゆり大好き♥

118:みんな違うからこそ助け合える

得意不得意も違って、好調・不調の波も違ったからこそみんなで助け合って生活できたと思います。海外留学(就労)、しかもエグモントを選んだみんなは、みんなが同じであることを良しとしがちな日本の感覚からめでたくはみ出て、お互いの凸凹を埋め合うチームワークを学びました♪違うって素晴らしい♥